人間失格 


戦後の売り上げは新潮文庫だけでも累計600万部を突破しており夏目漱石の『こゝろ』と何十年にも渡り累計部数を争っている。

他人の前では面白おかしくおどけてみせるばかりで、本当の自分を誰にもさらけ出す事の出来ない男の人生(幼少期から青年期まで)をその男の視点で描く。主人公「自分」は太宰治ではなく大庭葉蔵(おおば ようぞう)という架空の人物で、小説家ではなく漫画家の設定になっている。この主人公の名前は、太宰の初期の小説『道化の華』に一度だけ登場している。

作中で大庭葉蔵の手記とされるのは「第一の手記」「第二の手記」「第三の手記」であり、最初の「はしがき」と最後の「あとがき」は「私」の体験談とされている。当初「第一の手記」の原稿では主人公の自称は「私」であったが途中で書き直され「自分」となり、結果的に手記全体にわたりその一人称が使われた。

前述の通りこの作品は「遺書」と受け止められていたため、ずっと勢いにまかせて書かれたものとされてきたが、1990年代に遺族が『人間失格』の草稿を発見し、言葉1つ1つが何度も推敲されていた事が判明した。

なお、海外ではこの作品は性的虐待を表現した小説であるともみなされており、宮地尚子がMike Lewに自身の所属するグループで読んでもらったところ「辛くて読めない」という人まで出現した。L・ドゥモースも『親子関係の進化 子ども期の心理発生的歴史学』で乳母からの性的虐待の歴史の中でこの事例を報告している。しかし、日本ではこうした人に見られる「演技性」が別の側面から観測される傾向が強い。

2007年6月の集英社文庫の新装版では、同社刊の雑誌週刊少年ジャンプで『ヒカルの碁』『DEATH NOTE』などを連載した漫画家・小畑健が表紙画を担当。中高生を中心に話題を呼び、発売から1か月半で75,000部という古典文学としては異例の販売数となっている。翌2008年には新潮社も同作品の新潮文庫新装版(期間限定)を発売したが、デザインは集英社のものとは正反対の、マゼンタ一色のきわめてシンプルなものだった。同年角川文庫も、太宰の同郷人である松山ケンイチをモデルに起用した特別カバー版を発売している。

(フリー百科事典 『ウィキペディア(Wikipedia)』より引用)

直筆で読む「人間失格」

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